高品質な舗装には、適切な材料評価が欠かせません。
当社では、アスファルト混合物や骨材などの舗装材料に関する試験を実施。
試験結果をもとに、品質管理・配合設計・施工検証を技術的にサポートします。
アスファルト混合物
1. 密度・基本性状試験
- 密度試験:空中質量・水中質量・表乾質量(または体積測定)から密度を算出し、混合物の品質を確認。
- 最大密度試験:理論最大密度を測定し、空隙率算出や配合設計・品質管理に利用。
- アスファルト回収試験:混合物からアスファルトを抽出・回収し、性状を調査。
- アスファルト抽出試験:アスファルト含有量測定と骨材粒度分析。
2. 強度・安定性試験
- マーシャル安定度試験:混合物の安定度を測定し、配合設計・品質管理に利用。
- 水浸マーシャル安定度試験:48時間水浸後の安定度から耐水性を評価(残留安定度、基準75%以上)。
- ホイールトラッキング試験:高温時の耐流動性(動的安定度)を測定。
- 水浸ホイールトラッキング試験:水作用下での剥離抵抗性を評価。
3. 耐摩耗・骨材評価試験
- ラベリング試験:表層混合物の耐摩耗性を評価(往復チェーン型等)。
- カンタブロ試験:骨材飛散抵抗性を評価。
- ねじり抵抗性試験:交差点などでの骨材飛散抑制効果を評価。
4. 締固め・変形特性試験
- 曲げ試験:低温時のたわみ性や脆化点を評価。
- 曲げ疲労試験:繰返し載荷による疲労抵抗性を評価。
- 圧裂試験:圧裂強度から耐流動性やひび割れ性状を把握。
- ジャイレトリー締固め試験:締固め特性を測定し、混合物選定・配合設計に利用。
5. 半たわみ性舗装用試験
- 浸透用セメントミルク流動性試験(Pロート法):フロー値測定による作業性・品質評価。
- 浸透用セメントミルク曲げ強度試験:強度発現や設計強度の確認。
- 半たわみ性混合物曲げ試験:剛性・たわみ性の評価。
6. 透水性・防水性試験
- 開粒度アスファルト透水試験:透水係数を測定し、透水性を評価。
- 加圧透水試験:防水性評価(特に橋面舗装等)
7. グースアスファルト関連試験
- リュエル流動性試験:粘度を測定し作業性を判定。
- ダレ試験:余剰アスファルトモルタル量を評価し、最適アスファルト量を設定。
- 貫入試験:高温時のグースアスファルト混合物の安定性を測定。
8. その他試験機
- ハンバーグ・ホイール・トラッキング試験
- ノッティンガム試験機
骨材
骨材試験は、舗装やコンクリートの耐久性・強度を確保するために、粒度や物理的性質、耐久性、材料との適合性を確認する試験です。
- 骨材の物理試験 :密度・吸水率、粒度、安定性、すり減り量、形状など基本性状を評価。
- 単位容積質量・実績率試験 :骨材の形状・材質の指標を求める試験。
- 剥離抵抗性試験 :粗骨材とアスファルトの接着性を評価。
- 石粉試験 :密度、フロー性、浸水膨張率を測定し、品質や適性を確認。
- 鉄鋼スラグ試験 :骨材としての水浸膨張性を評価。
- 細骨材の表面水率試験 :コンクリート配合補正のために表面水率を測定。
土質
土質試験は、地盤や施工材料としての土の性質を評価するために行います。大きく、物理的性質・力学的性質・透水性などを調べます。
- 土の物理試験:密度、含水比、塑性・液性限界など、土の基本性状を把握する試験。
- 強熱減量試験:土中の有機物含有量を求める試験。
- 突固め試験:含水比と乾燥密度の関係を調べ、最適含水比や最大乾燥密度を把握する試験。
- CBR試験:路床や路盤の支持力を評価する試験。
- 透水試験:土の透水性を評価する試験(定水位・変水位方式)
コンクリート
コンクリートやセメントは、舗装・構造物の性能や耐久性を左右する重要な材料です。そのため、強度、耐久性、品質特性などを把握する各種試験が行われます。ここでは、代表的な試験方法とその概要を示します。
- セメントの物理試験:密度、粉末度(ブレーン法・網ふるい法)、凝結、安定性、強さ(圧縮・曲げ)、フローなどを測定し、品質適否を判定。
- フレッシュコンクリート中の水の塩分含有量試験:塩化物量を測定し、コンクリート舗装への適否を判断。現場での簡易測定機法と室内分析法がある。
- コンクリートの圧縮強度試験(JIS A 1106:2006準拠):コンクリートの代表的な強度である圧縮強度を測定。配合設計や品質管理に利用。
- 一軸圧縮試験:セメント・石灰で安定処理した混合物や水硬性スラグの一軸圧縮強さを測定し、安定材添加量の決定や水硬性評価に利用。
- コンクリートの曲げ疲労試験:コンクリート舗装の疲労性状を把握し、疲労設計に必要なS-N曲線を作成。供用中舗装の残存寿命推定にも利用。
アスファルト乳剤
アスファルト乳剤の品質を確認するために行う各種試験の概要をまとめたものです。粘性、粒度、付着性、含有量、貯蔵安定性などを測定し、施工品質の確保に役立てます。
- エングラー度試験:石油アスファルト乳剤の粘性を示すエングラー度を測定し、品質を確認する。
- ふるい残留分試験:石油アスファルト乳剤中の粗粒子や塊の割合を測定し、品質を評価する。
- 付着度試験:石油アスファルト乳剤の骨材への付着性を測定し、特に浸透性カチオン系の品質を確認する。
- 蒸発残留分試験:石油アスファルト乳剤に含まれるアスファルト量を測定し、品質を判定する。
- 貯蔵安定性試験:貯蔵中の石油アスファルト乳剤の安定性を評価し、品質保持性を確認する。
路床路盤
路床・路盤試験は、舗装の基礎となる地盤や路盤の支持力、密度、変形特性を評価し、設計や施工の品質確保に役立てるために行われます。現場での簡易測定から詳細な荷重試験まで、様々な方法が用いられます。
- 現場CBR試験:路床の支持力を示すCBR値を現場で測定し、設計や施工の基準適合を確認する。
- 砂置換法による土の密度試験:現場の路床・路盤の密度を求め、締固め度合いを評価する。
- 平板載荷試験:路床や路盤の支持力係数を測定し、舗装設計に必要な支持力を評価する。
- ポータブルコーン貫入試験:簡易的に路床土の貫入抵抗を測定し、地盤状態や締固めの良否を判定する。
- ベンケルマンビームによるたわみ量測定:輪荷重による路面のたわみ量を測定し、舗装や地盤の構造的健全性を評価する。
- 小型FWDによる地盤支持力試験:たわみ量から路床・路盤の剛性を評価し、支持力を判定する。